ひろゆき氏@「正論」

 今回は世界潮流「ひろゆき「正論」でウヨ房は差別主義と断言」を扱います。



 ここでブログ主の米国自民党さんは
・・・と以前書いたのだが、その後調査した結果、なんとやはりこれは本物の2ちゃんねる管理人「ひろゆき」氏の対談であったようだ。

しかもその対談が行われた雑誌はあの産経系列の「正論」!!!2003年に発行された物らしい。

と述べておられますが、残念ながらこれは事実誤認です。

2003年に発行された『正論』において、ひろゆき氏の発言が掲載されているのは6月号のみです。
この号には『ネット界の暴力デブ太郎とひろゆきが語る「2ちゃんねる」の功罪』という、暴力デブ太郎こと大月隆寛氏と、2ちゃんねる管理人であるひろゆき氏の対談が掲載されています(pp.320-pp.333)。
(参考リンク:「編集長からのメッセージ」)

 この対談には、残念ながら米国自民党さんが引用されておりますような
記者「2ちゃんの右翼的っていうか、反北朝鮮の書き込みとかは、どう?」

西村「2ちゃんねる自体、あんまり見ないですからね(笑)。」

記者「そういうのは知ってる?」

西村「もちろん。そういう書き込みがあるのは知ってます。まぁ、職業右翼の人とかもいますし。3人いりゃ、24時間交代できるしね(笑)。」

以下の記述は一切存在しません。
 したがってこれらの文章は、ひろゆき氏以外の人物の手によって偽造された可能性が非常に高いと言えましょう。

 さて、同対談でひろゆき氏は2ちゃんねるにおける右翼-左翼の言説について言及を行っていない訳ではありません。
「『2ちゃんねる』右翼説」と小見出しが付けられた箇所でその問題について語っています。
 以下にその部分を引用します。今後ひろゆき氏の2ちゃんねるにおける右翼に関する発言を扱われる方は、以下の引用をご用立てください。
黄字がひろゆき氏の発言
灰字が大月氏の発言です。
ひろゆき (『正論』をめくりながら)やっぱり右翼の人って、アメリカ好きなんですかねぇ

大月 直截な質問だなあ(笑い)。右翼ったって、街宣車乗って走り回っているのしか普通は知らないじゃない?
 アメリカ好きか、って言われたら最近は「反米」がやたら盛り上がっていたりして、小林よしのりさんなんか完璧にそっちの方に行っちゃっているけど、でも、左翼もアメリカ嫌いで、共産党なんか未だに「反米」って言っているよね。

ひろゆき 戦争反対、と言っている人は共産党に投票するんですか。

大月 「反戦」と「反米」の関係ね。そのへんほんとはねじれてるんだけど、今だったらそういう単純な図式の人も結構出てくるんじゃないかな。
 小林さんや西部さんなんかでも、小田実なんて化石みたいな左翼と「反米」ってだけで手組んじゃっているしさ。もうわけわかんないよね。

ひろゆき 右の人って、職業的な右の人っているじゃないですか。要はそこらへんの街宣車に乗っている人とか。でも、職業的な左の人ってあんまりいないじゃないですか。

大月 え?でも、ほら、組合やっているひととか、学校の先生で日教組とかいるじゃない。

ひろゆき ええ。でも、そういう人たちってべつに大衆に対して左的要素を一生懸命植えつけようとはしないじゃないですか。

大月 ああ、手法の問題ね。マスコミ自体がそういうモードだった時代はついこの間まであったんだけど、でも、それって確かに街宣車でガンガンやるのと意味は違うかも知れないけど、朝日新聞とか学校とか、そういうのは大きな拡声器というか、また違う意味での街宣車になっていたわけじゃない?
 ある種の文化としての左翼性というか民主主義みたいなものが戦後ずっとあって、空気みたいなもんになってた分、それで刷り込まれてきたものがここ十年足らずの間にようやく、それってほんとかなあ、という話にはなってきてるんじゃないのかな

ひろゆき 左的感覚に対しておかしいなと思う人は今は結構いると思うんですけど、だからと言って、一生懸命それを連呼する人というのは、左にはそんなにいない気がするんですよ。
 2ちゃんねるが右の人が多いように見えるというのは、ように見えるだけで、右の人が多いかどうかというのは別だと思うんですよ。右に行っている人って一生懸命連呼するんですね。


大月 ああ、なるほど。右って一生懸命「右で~す」といいながらやるもんね。どうしてかな。

ひろゆき 僕だけが知っている真実があるとか、僕の中に正義がある、とかって感じじゃないですかね。確信的というか。

大月 感覚としてはわかるな。でも、左翼だってそのへんは同じだよ。自分だけが科学的認識を持っている、とか信じ込んでたんだから。そのへん。ある種宗教っていうか、カルトみたいなもんでさ。

ひろゆき 右の人たちって、最後の根拠のよりどころが感情だったりするじゃないですか。

大月 ああ、それはあるね。左翼は理屈なんだけど、右翼って突き詰めると情緒、感情だからね。だから論破はされない。

ひろゆき そうすると、感情だから伝えたいというすごいモチベーションが真ん中にあって……。

大月 汗かいて伝えようとするのね、頑張って。朝生に出てきた西尾幹二さんみたいなもんだ(笑い)。やたら熱いのね、どういうわけか。折伏にかかる、説得にかかるからね。

ひろゆき そう。左の人って、何か言われたらすごい熱心に反応するんですけど、言われなければ黙っている、みたいな感じがあるんですよ。右の人は何も言われなくてもガンガン宣伝したがるっていうか。

大月 左の方が頭よくて右翼はバカだっていう図式も根強くあるよね。

ひろゆき 論理と感情だとそうなっちゃいますよね。ほら、映画に行けない人がテレビやって、テレビに行けない人がゲーム屋さんになって、ゲーム屋さんに行けない人が漫画屋さんになってという連鎖があるじゃないですか。
 その一番下に今、インターネットがあると思うんですよ。一番下だからピラミッドと同じで一番人が多いんですよ。だからそれが暴動って手段になったりするんですけど、少なくとも数は扱える。


大月 そうか、それが吉野家の祭りになったり、ちんこ音頭のブラスバンドになっちゃうわけだ。

ひろゆき そう、でもピラミッドの上じゃないんで、カリスマ性とか説得力というのはないんですよね。
 僕が例えばテレビ局の偉い人で、「これしようぜ」と言ったらついてくる人いるんですけど、インターネットの掲示板でそれ言ってもついてくる人はそんなにいない。


大月 って言うか、それでついてくるのはロクなのいないよ、今。動かないで見ているやつの方が信頼できるよ。

ひろゆき 積極的に動いている人は、積極的に動かなきゃ行けない理由がある人ですよね。

大月 でなきゃ、何か問題があるんだ、日常にね。反戦でも環境でもいいけど、何か大文字の正義を言う人って、結局それってあんた個人の問題でしょ、というのが多いわけでしょ。
 逆に今、2ちゃんねるで愛国募金なんかやると、いっぱいカネ集まるんじゃないかな。それでトマホーク買って、アメリカに贈る。その代わり条件があってさ。ノーズアートにギコ付けてくれ、と(笑い)。
 「キターッ」「逝ってよし」って描かれたトマホークがバグダッドに飛んでゆく。みんな喜んでカネ出すと思うよ。

ひろゆき 2ちゃんねるの削除人を募集した時にわかったんですけど、削除人になりたい人っていうのは大体ちょっとおかしい人なんですよ(笑い)。
 削除するって面倒くさい作業なんですよ。見たり書いたりする方が楽しいわけで、なのになんでやりたいかっていうと、自分が消したい何かがある人、という人が一番応募率高いんです。あとは削除するという権利を持つことで偉くなりたい、ってことかな。


大月 権力志向だね。今、うっかり運動とかハマるのってそういうのが多いけど。あの人間の盾もそうだったかな。

ひろゆき インターネットの掲示板で偉くなってどうするの、って。そういうレベルで、そんなものにも魅力を感じてしまう人なんて、現実社会ではあんまりいい目を見てない。

大月 満たされてないんだよな。でもまああなたは、役に立つなら使う。と。

ひろゆき やりたくないけど、いやいややる人、というのを僕はなるべく採用してるんですよ。
 掲示板の利用者として使っていて、こういうのがあって邪魔だから消してほしいんだけど動いてくれないからしょうがないから僕やりますよ、って、やる気がないけどいやいややる人、っていうのが多分一番いい。


 大月 自分が不利益を蒙っているからしょうがないから自分で排除する、と。

ひろゆき ええ。ほかにやる人がいないから僕が仕方なくやりますよ、という。

大月 今回のアメリカじゃない、それ(笑い)。そうか、わかった。アメリカって2ちゃんねるの削除人なんだ、あれ。だって、みんなテロやられて困っているじゃないか、みんながやりたくないから俺がやるんだ、と言っているわけじゃない。
 その代わり戦争勝った時、お前ら絶対利権を渡さないぞ、全部俺のもんだ、この野郎、と。メンタリティが削除人と同じじゃ、問題ありってことだな。削除人と一緒で、どこか寂しいんだろうね。


(西村博之、大月隆寛「ネット界の暴力デブ太郎とひろゆきが語る『2ちゃんねる』の功罪」『正論』産経新聞社、2003年、pp.327-329)
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by liliputian | 2005-02-18 17:34 | ヘンな議論を徹底検証!
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